はんなりブログ

何者でもない人間の日常。気軽にコメントください。

いつも通る道

 

最近特に遊んでない。

バイトも連勤だった。

ストレスがたまって来てるのがわかるけど発散の仕方がわからない。

10代の頃、寝食を忘れて熱中していたゲームも、今となっては電源をつけてもすぐに飽きてしまう。

自分の中の何が変わってしまったんだろう。

母から目が悪くなるという注意を聞くふりだけして、布団のなかで必死に育てたポケモン

夏休み、涼しい友達の部屋で、みんなで必死に砂漠でディアブロスと戦った、モンスターハンター。太刀使いでは一流の自負がある。

 

楽しかった思い出は今も鮮明に、セーブデータのように復活させることができる。

そうだ、あの時は他にポケモントレーナーやハンターがいたから、活気に溢れてたんだ。みんなでゲームをしていたんだ。

今は周りにはいない。

 

ポケモンを育てても、モンスターを狩っても、学校でそれらの話をして、放課後を待遠しくしている時間はもうないんだ。

 

と、知らず知らずのうちにどちらも引退していた。

 

幼き頃の生命線を断たれた今、本当に暇つぶしに困る。

 

読書は嫌いじゃないけれど、ずっとは無理だ。

いくら好きだと言えど、二杯目のビールは一杯目の、さらに一口目のビールにはかなわないように。

読者も長くしてたらしんどくなる。

 

なんとかっていう言い方はふさわしくないと思うけど、それでもなんとか少しの時間を読書でつぶすことができた。

 

読書も終わり、Twitterを眺めていたら、今話題の小説が四条の大垣書店に入荷されたことを知る。

 

雨がちょうどやんでいた。

自転車で15分。バイトと本屋さんは歩いて3分だ。今日は定休日だから自転車をこっそり止めることができる。

 

よし、いける。

 

駐輪場を出発してしばらくして、雨が降って来た。このくらいの雨ならすぐやむし、傘をさす必要はない。自転車を一旦止めて傘を準備している人を追い越した。

 

雨はほんの少し強くなった。

傘はサドルの下に刺したまんまだった。

 

クロスバイクまたがるサラリーマンとすれ違う。

結構濡れてるなーと思いながら、自分も同じくらい濡れていた。

 

本を読むより、本を買うことに喜びを感じるしょうもない価値観をもっている。

 

電気がついていない、なんだか見慣れないバイト先に自転車をとめて

とりあえず欲しかった本を買う方ができた。

 

せっかく四条まで出たんだから、ただ本を買うだけじゃもったいないと思った。

 

祭り囃子につられた。

空腹もあり集中力がなかった。何も考えてないゾンビみたいにつられた。

 

とりあえず四条通りを東に進んで、友達がバイトしている河原町のスタバを除いた。

飲む気はないので、怪しまれない範囲でできるだけ長く覗く。

多分少し怪しまれている。

友達はいなかった。

 

そのあと、ゾンビは河原町通を北上して、靴屋さんをはしごした。

 

今1番欲しい靴は24000円だ。

それが置いてあった。

欲しいけれど、あいにく財布には4000円しかない。

お腹が空いたゾンビは、一蘭に行こうと思った。

 

飯を並んでまでして食べる意味がわからない。

と、いかなる否定を寄せ付けない語気で言っていたバイト先の社員をふと思い出したせいか、足を止めずに素通りをした。

 

しーちゃんと前に行った、うどん屋さんに一人で行った。1人吉野家が限界だったけれど、空腹と、あの時の味に背中を押され、ためらうことなく入った。

 

喋らないせいか、食べるペースが早く、先に入っていたお客さんの誰よりも早くお会計を済ませた。

 

腹を満たして、ゾンビではなくなったけれど、それでも特にすることがないので帰ることにした。

 

人通りがあるので、その数だけドラマがある。

自分が勝手にドラマを作っているだけだ。

 

3歳と、5歳くらいの女の子と男の子。

その両親と祖父母。

 

両親が子供の手を引いて、祖父母とバイバイして、反対方向に歩きだす。

 

祖父母は赤信号で足を止めた。

 

10mくらいして、子供2人が、もう一回大きい声でバイバイを言う。

おじいちゃんは少し恥ずかしそうに振り返り、ちょこっと手を振っただけで、背中を向けた。

 

信号が青になると、おじいちゃんは何も言われてないのに振り返った。見えたのは多分孫の背中だったのだろう。少し寂しそうな表情だった。

 

自転車を取りに行って、雨は降っていなかったから、傘をサドルの下にさして、家に帰った。

 

帰りにコンビニによった。

子供の3人が店の前で何か食べていた。

1番体の大きい子供が変な顔をして他の2人を笑わせていた。

この子たちは今自分が買おうとしているビールの味なんか知らない。

それでも、自分が忘れてしまった、ものをたくさんたくさんもっているはずだ。

あの顔のどこが面白いかは別として、

3人で笑っている姿がとても、心地よかった。