引っ越しをした
人生4回目となると
いい加減
慣れざるを得ないから
もう2度と会うことはないであろう人との
別れも案外すんなりいけてしまう
もう2度と通ることのないであろう道を
通る時だって
なんとなくの寂しさを感じながら
一生懸命に目に焼き付けようとはするけど
どうにもできなかったから
もう特になにも考えない
最後に近所を縄張りとしていた野良猫に
会えたことが嬉しかった
引っ越し前夜のご飯はサイゼリヤで
自分の住む県にはない
日常使いする店が近くにないとなれば
旅行で行くしかないけれど
日常使いでしか行ったらダメな店なので
もう自分の県に進出するまで
待たないといけない
だからといって
開店初日に50人待ちをしてまで並ぶ
ミーハーさはないから
本当は行きたいくせに
ほとぼりが冷めるまで待つ羽目になる
自分の生きづらさを
想像の中だけど感じた
4回目の引っ越しだけど
今回は1人じゃない
夫婦2人で引っ越す
それが初めての経験となった
だから思い出を共有できるし
やっぱり寂しくないんだよな
家族っていいなとふとした瞬間に思った
旅路は
フェリーを使っている
旅感があってワクワクする
ツーリングに行く男たち
家族3世代での旅行
トラックでの運送
色々な目的を持った人たちが集まっている
食事の意味だってさまざまだ
一生の思い出のご飯としてのレストランから
ただの一食としてのカップラーメンだったりね
自分は後者だけど
なんせ電波が届かないから文章を書くしか
することがない
引っ越しは4回目だし
転勤は3回目
人生に変化が起きたとしても
あまり動じることはなくなってきた
どっしり感が出てきたといえばいい言い方かも
しれないけど
味がなくなってきたといえば
それまでかもしれない
早く落ち着いた生活をしたいとおもうけど
なんとなく定まらない
わからないものを楽しんでいきたいとも
思っている
人生はないものねだりで
隣の芝を青くし続けてしまうものだと思うけど
そろそろ自分の持っているものに
自信や誇りを持った方がいいとも思うし
そう思った頃には
ちょっぴりそう思えるようになっている
とも思う
とにかく今は
右肩にできた粉瘤が痛すぎるから
お酒を飲んで
やわらげている
早く切開して楽になりたい
そう思いながらフェリーの浴場で
右肩に大きな正体不明のコブができた
おじいさんをみた
あのおじいさんのそれと比べたら
自分の粉瘤なんて本当に少し赤いだけの
平面だ
あぁ
たぶんこの先
人生で背負う責任も多くなるし
それに伴う痛みだって大きくなる
だけど歳をとれば
それが当たり前になっていくし
コブとも一緒に生きていけるのだろう
あぁ
自分が背負っていると思っていた痛みは
なんだったんだろう
あのおじいさん
コブをタオルでゴシゴシしてるじゃないの
自分に誇りを持つのはまだまだ早いし
もっと謙虚かつ貪欲に生きていかないとなって
旅の疲れを風呂で癒しながら思った