暑さにうんざりする
学生時代に過ごした京都は
こんなに暑かったもんだろうかと
休日の京阪電車
祇園四条の改札を出て
きらきら輝く鴨川には
いつもみたいに
等間隔に並ぶ人たちがいない
あぁたぶんこんなに暑くはなかったよなと
疑問が晴れた感覚になった
妻と漢字ミュージアムに行って
漢字バトルをして
ネットで調べて入った
酒と蕎麦屋のお店に想像以上に大満足をして
雑貨屋でイソップのマウスウォッシュなんな
買っちゃってさ
とても良い休日を過ごしている
このなんてことのない世界に感謝をした
「ビンなので気をつけてお持ちください」
雑貨屋の店員さんがそう言った
後はもう少し京都っぽいことをしてしまえば
その日は完成する
京都っぽいことといえばなにを
思い浮かべるだろうか
意外だろうけど神社仏閣に行くことだ
京阪出町柳駅から徒歩10分
割と近くて大きな下鴨神社なんていかがだろうか
昼下がり、暑さも少しはやわらいだろうか
そう思いながら
出町柳駅の地上に上がったけど
まだこんなに暑いのかと辟易した
鴨川デルタに渡れるように
並べられた亀の石には外国人が集中してた
さっきの鴨川とは対照的だ
いつもとは違う川辺の様相に
やっぱり暑さはひいてないと感じた
徒歩10分なんてとてもは歩けない
橋を渡ったカフェでお茶をして帰ることにした
京都っぽいことはできなかったけど
最近は
そうだ、京都にいこう
なんてあまり聞かないし
そんなに行かなくてもいいんだろう
帰ろうとカフェの席を
立った瞬間
パリーン
イソップのマウスウォッシュを落とし割ってしまった
はぁ
全部に夏のせいだ
暑さのせいだ
京都のせいだ
「ビンなので気をつけてお持ちください」
そんな言葉も暑さで忘れちゃってたね
