現実逃避をするために
ゲームセンターに行って
メダルゲームをする
誰とも話すことがないので
大して面白くもなんともない
少したのしみにしてたのに
実際は楽しくないただの暇つぶしになってしまった
それなのに、隣に座ってたヤンキーにいちゃんが
もう時間がなくてメダルを使わないからと言って
どっさり余ったメダルをくれた
にいちゃんも渡し甲斐がなかっただろう
とっさに自然な笑顔を出すことができない
彼が去ってから少し悪かったなと思った
倍くらいになってしまったメダルを使い切る頃には
指先が真っ黒になってしまっていた
千円を使ってメダル使う権利を得たはずなのに
いつのまにかメダルを使い切るという義務に感じられたその遊戯を済ませて
バスで帰った
息抜きとは難しいもんで
なにをするかだれとするか