一人暮らしをしている。
だけど料理が苦手だ。
もともと朝は食べない、昼は学食だ。夜はバイトのまかないを食べる。
しかしバイトのない日や、休日の昼に作らないといけないピンチがやってくる。
スーパーに行くのは嫌いじゃない、食材を見るのはこれたちがどのようにおいしくなるのかという夢があって好き。
特にたまご使い勝手がいい。栄養も豊富。
たまごを買って帰る。
私に選ばれたたまごたちは、そのポテンシャルを最大限に発揮されることはなく、もれなくゆでたまごにされてしまう。
本当はオムライスになりたかったかもしれないし、プリンになりたいという願いを持っていたかもしれない。
残念ながら茹でられるだけで、からの中で白く固まってしまう。
たまごよ、俺はお前をダメにしたくない、こういう風にお前を育てるのは、絶対に失敗したくないからなんだ。
決して、自分の力量を言い訳にしない。
あくまでたまごを、無駄にしたくないという理由をこじつけて、つぎつぎとゆでたまごを生産する。
無難なことばかりする、チャレンジ精神のかけらもない自分。
オムライスを作れるようになったら、少しは自分も変われるのかなぁ。