四月の日が落ちたあと
まだ空が明るい少しの時
仕事終わりバスの中
外を見ればライトをつけて走ってる車とつけてない車の数が同じくらいだなぁなんて
どうでもいいことを考えてる
すっかりネクタイを締めるのに慣れてしまった私の前には
母校の高校生が参考書をひらいて勉強してる
私はiPhone片手にネットサーフィンだ
7年前に高校入学したての時の不安が
現在の自身との心持ちとピッタリとリンクした
バスを降りた時に感じた少し肌寒い風と何も変わらない景色が
私を過去に飛ばしてしまったみたいだった
綺麗に結ばれたネクタイと最新のiPhoneだけが
それを否定する証拠だった
7年間という月日は
どんなだっただろうかと
ゆっくりと思い出す前に
歩いて自宅に帰り着いてしまった
体の全細胞は入れ替わっていて
7年前の私だったものと
同一人物だとあらわす証拠はどこにもないけど
かすかになにかを思い出した
みぞおちの奥に感じる懐かしさという重さが
その証拠になろうとしてた